相続手続・遺言書作成
谷口司法書士事務所

お悩み事例

  

遺言を法務局で保管してくれる制度があると聞きましたが、うまくいくか不安です…

2025/09/18 

最近よく耳にする「自筆証書遺言保管制度」。

自分で書いた遺言を法務局に預けることで、

✔ 紛失防止
✔ 改ざん防止
✔ 隠匿防止

ができる制度です。

ここまでは事実です。

でも、誤解されがちな点

法務局がしてくれるのは、

“形式面のチェック”だけです。

✔ 日付があるか
✔ 署名があるか
✔ 押印があるか

などの外形的な確認は行われます。

しかし、

・内容が曖昧ではないか
・財産の特定ができているか
・実際に登記や銀行手続きが可能か
・法的に矛盾していないか

といった“中身の実効性”まではチェックしません。

ここが大きな違いです。

よくある誤解

「法務局に預けている=完璧」

ではありません。

保管制度は、
“なくならない仕組み”であって、
“使える内容にしてくれる仕組み”ではありません。

死後に本当に大事なのは

遺言があることではなく、

その遺言で手続きが実行できること。

銀行が受け付ける。
法務局が登記できる。
争いが起きない。

ここまで設計されて初めて意味があります。

公正証書遺言との決定的な違い

公正証書遺言なら、

✔ 公証人が内容を法的に整理
✔ 実行可能な文章に修正
✔ 原本は公的機関保管
✔ 紛失しても再発行可能

「形式」だけでなく「実効性」まで担保されます。

保管制度は悪い制度ではありません。

ただし、

“安心感”と“実行力”は別です。

せっかく残す遺言です。
死後に「これでは使えません」と言われたら意味がない。

費用はかかります。

でも、確実に実現させたいなら、
公正証書遺言のほうが圧倒的に安全です。

遺言は自己満足ではなく、
死後に機能してこそ価値があります。

そこまで考えて選ぶべき制度です。

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