相続手続・遺言書作成
谷口司法書士事務所

お悩み事例

  

父が生前に、弟や妹に書かせた「相続放棄する」との念書があるのに、法的に意味がないといわれました…

2023/11/10 

お父様は生前、
「実家は長男に継がせたい」
という強いお気持ちをお持ちでした。

そのため、弟さんや妹さんに

「相続放棄します」

という内容の念書を書いてもらっていたとのこと。

ご相談者様は、その念書を大切に保管されており、
「これがあるから大丈夫ですよね?」
とご持参されました。

結論:法的効力はありません

残念ながら、

相続放棄は“被相続人の死亡後”にしかできません。

家庭裁判所へ申述して初めて効力が生じます。

生前にいくら念書を書いてもらっても、
法律上の相続放棄にはなりません。

つまり、その念書は
お気持ちの確認にはなっても、
法的拘束力はないということになります。

今回の対応

今回は遺言書も作成されていなかったため、

✔ 相続人全員で改めて協議
✔ 遺産分割協議書を作成
✔ 全員の実印押印

という正式な手続きを経て、
最終的には長男様名義へ変更することができました。

幸い、ご兄弟が協力的だったため円満にまとまりましたが、
もし誰か一人でも考えが変わっていれば、結果は違っていた可能性があります。

実はとても多いケース

「念書があるから大丈夫」

そう思われている方は、驚くほど多いです。

そして
「意味がないんですか?」
と、皆さん本当に驚かれます。

本当に有効な対策は?

生前に意思を確実に反映させたいのであれば、

✔ 公正証書遺言を作成する
✔ 必要に応じて生前贈与を検討する

といった、法律に沿った方法を取る必要があります。

善意や家族間の約束だけでは、
相続は守れません。

書面があることと、
法的に有効であることは、別問題です。

「形だけ整えた安心」は、
いざというとき、役に立ちません。

相続は、気持ちではなく法律で動きます。

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